ビルマが仏教信仰のあつい国ということは、世界中によく知られています。ビルマでは、僧侶は今でも戒律を守って生活し、社会で尊敬される地位にあります。国内には、壮大な美しいお寺がたくさんあり、人々が毎日お祈りに訪れます。ビルマのお寺を訪れるとき、ビルマの人たちは、肌の露出の少ない服を選び、境内では必ず靴をぬぎます。畏敬と信仰のあわられでしょう。 このような国で世界的な仏教の集会が行われるのは、もっともなことのように感じられます。しかし、民主化活動にかかわるビルマ人から、「この集会をボイコットしてほしい」というメッセージが届いています。とくに、日本人に向けられた強いメッセージです。
ビルマでは僧侶は人間を超えた存在なので、僧侶を数えるときに「何人」という表現さえ使わないほどですが、刑務所では、僧侶であっても聖職者として扱われず、名前を呼ばれるときは、僧名ではなく、得度以前の俗名で呼ばれます。僧侶の象徴ともいえる僧衣(ティンガン)は強制的に剥ぎ取られ、上下とも白色の囚人服を着せられます。収容される房は、窃盗犯や強盗犯など一般の囚人と同じですが、それでも、僧侶たちは勤行・瞑想(座禅)などを実践し、獄中でも戒律を破ることなく仏教僧としての生活を送っています。
また、2003年10月には、国民の政治不信の高まりを恐れた軍事政権が、国民の関心をそらすために、軍政関係者にイスラム教モスクを襲撃させ、仏教徒のしわざと報道して、宗教対立を仕掛けた、とのニュースが世界に流れました。宗教をも、軍政の道具のひとつとして利用していることが、うかがわれます。その翌月には、ラングーンやマンダレーで100人以上の僧侶が、軍政から理由なく逮捕・投獄されました。このように、仏教や僧侶に対して不敬なことをするのが、ビルマ軍政の実状です。今回の仏教集会開催にあたっては、ビルマ軍政は、自ら情報規制するメディアを活用して「政府官僚の誰それが、どこのお寺にたくさんの寄進をした」などのニュースを流し、毎日、みせかけの信仰アピールをしています。 このような国で開催される仏教の集会に、各国の仏教指導者やビルマの高僧たちが、ビルマ軍政の実状を知らないで参加してしまうことが心配です。
今回の集会の資金は、日本の新興宗教「念佛宗三宝山無量壽寺(以下、念佛宗)」がサポートしています。念佛宗は、1979年にできた新興宗教で、日本に活動基盤をおき、自らをJBA(The Japanese Buddhist Association)と名乗っています。しかし、この宗教には、良くない評判が少なくなく、日本の仏教に携わる他の人々の間では「念佛宗は、日本の仏教徒を代表していない。JBAの名前はふさわしくない」という意見が一般的です。
念佛宗の公式日本語サイトは見つからず(2004年3月20日現在)、掲示板「2ちゃんねる」内に、大量の書込みが見つかりましたので、リンクして紹介します。また、タイの大学サイト内に、「世界仏教サミット」の英語・タイ語のページがありますが、このページも、日本語版が見つかりません(2004年3月20日現在)。 念佛宗とビルマ軍事政権が、どのような連携をしているのかは、この2者にしか、わかりません。 自由と平等を抑圧し続けているビルマ軍事政権、仏教の伝統と精神に反することを行っているビルマ軍事政権が開催する「世界仏教サミット」です。世界の仏教関係者に実情を知って欲しい、と願います。 日本の宗教者・宗教界のみなさまには、仏教に対するビルマ軍事政権のこのような姿勢を知り、ぜひ、この集会に対する反対の声をあげて頂きたい、ビルマ軍事政権およびビルマ最高宗教会議に対する働きかけをしていただきたいと、こころより願っております。SCDBでは、コンタクトをお待ちしております。連絡先:info@scdb.org
2004年3月23日 |